クロネコの塵壺

自分の頭で考えて生きていこう

映画「詩季織々」を観てきたよ

#極力ネタバレをせずに記事を書いていますが、事前情報を何も知りたくない!という方は、映画を鑑賞してから戻ってきて頂ければと思います。

 

f:id:mygt:20180809140853j:plain出典:https://shikioriori.jp/

 

詩季織々」は、「君の名は。」で爆発的に知名度を上げた新海誠監督の作品を手がけてきたコミックスウェーブフィルムがアニメーション制作を担当した映画です。

 

そして、もう一つの特徴は日中クリエイターの合作映画という点でしょう。総監督は、中国のリ・ハオリン監督です。

 

新海誠監督の作品に感銘を受けたリ・ハオリン監督が2013年ごろから企画のオファーを出して実現させた作品なんです。

 

なので、舞台は北京や上海で、テーマは中国の暮らしの基本となる「衣食住行」です。「行」は、交通のことなんですけど、日本語にはない表現ですよね。

 

内容は、20分程度の短編オムニバスアニメが3本という構成です。一話目が「陽だまりの朝食」(イシャオシン監督)、二話目が「小さなファッションショー」(竹内良貴監督)、三話目が「上海恋」(リ・ハオリン監督)です。

 

そんなに期待せずに観に行ったんですけど、クオリティの高さにびっくりしました。コミックスウェーブフィルムがアニメーション制作を担当しているので、映像の美しさが素晴らしいです。「秒速」、「言の葉の庭」と比較しても遜色ありません。映像を引き立てる音楽も素晴らしかったです。

 

そして、3話とも視点や物語のテイストが違っていたので、変化があって楽しめましたし、もっと続きを見たいと思わせる構成でした。

 

総監督のリ・ハオリン監督が「秒速」のファンということで、映画のテイストとしては、「君の名は。」のようなエンタメ路線というより、日常の延長線上で少しほっこりしたい人向けの映画だと思いました。

 

この映画を見て感じたことは、我々は価値観の転換点に生きているんだなってことです。

 

社会の方向性として、大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済活動や生活様式から、自然との調和や持続的発展が可能な成熟した社会を目指して仕組みを変えている最中ですよね。

 

21世紀のキーワードとして「成熟」という言葉があると思うんですけど、もっと目に見えない価値やお金に換算できないものを大切にしていこう、ということだと思うんです。

 

20世紀型の資本主義は、拝金主義というか、金があれば何でもできる的な価値観だったと思うんですけど、それが少しずつ変化している途中ではないでしょうか。

 

身近な人間関係を大切にしたり、昔からの伝統や手作りのようなものに価値を再発見したり。そろそろコンビニが24hやってるような異常なことは止めたほうがいいよねってことでしょうか。

 

そして、中国人の監督がこの映画を作ったことがさらに驚きです。経済成長期の中国でもそういう価値観の見直しというか、拝金主義・能力主義・実利主義が全てではない、そういう考え方に共感する人がいるんだなと。

 

本質的な豊かさってなんだろう。

 

そういうことを考えさせてくれる映画だと思いました。

 

 

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