クロネコの塵壺

自分の頭で考えて生きていこう

最近感動したこと

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最近、感動してますか?

映画やドラマを見て感動したというレベルではなく、心の底から感動したことはありますか?

と言われて、「あります!」って言える人は少ないんじゃないでしょうか。

 

ある講演会で某おもちゃ会社のエンジニアの人の話を聞いたのですが、「感動の構成要素は行動+感性である。」と言っていました。

「大人になるといろんなものに慣れてしまい感動しにくくなるけど、行動して新しいものに出会って自分の感性でそれを感じることから感動が生まれる。」、っていうことを言ってました。恥をかいてもいいから、まず行動っていうのは重要かもしれませんね。

 

さて、私の「最近感動したこと」なんですが、それはウインブルドン選手権4回戦の錦織選手とグルビス選手の試合です。

感動したポイントを3つ挙げたいと思います。

 

一つ目は、両者にストーリーがあったことです。錦織選手は、初めてのベスト8進出がかかった試合でした。10回目の挑戦でこれまで破れなかった壁を破れるのかどうか。10年の重みがあります。

一方、グルビス選手は、ラトビアの選手として初めてのベスト8進出がかかった試合でした。2014年に世界10位までランクを上げましたが、そこから怪我やスランプで大幅に順位を落とし、今回は予選から勝ち上がってきました。193cmという長身で体格にも恵まれ、将来を嘱望されていた選手の大一番です。

こういうストーリーがあると試合を見る前から興奮してしまいます。感動するための下準備としては十分です。

 

二つ目は、劣勢から勝利したことです。

第一セットを取られ、第二セットはタイブレーク、第三セットもタイブレークで取りましたが、グルビス選手の調子が良くて、負けていてもおかしくない展開でした。

特にグルビス選手は、第二セットで錦織選手のサービスをもっと攻撃的に攻めていれば、違う結果になったはず、というコメントを試合後にしていましたが、試合の前半は明らかにグルビス選手のペースでした。

ただ、錦織選手も諦めないでずっと我慢をしつつ、流れがくるのを待ち、タイブレークというワンチャンスをモノにした感じです。

錦織選手の粘り強さ、勝負の勘所を読む鋭さが光った試合だと思いました。

 

三つ目は、怪我という要素です。

錦織選手は、登場した時から右腕にテーピングを巻いていました。試合中にも右肘を気にする素振りを見せていましたし、第一セットの終わりには、トレーナーを呼んでマッサージを受けたり、痛み止めと思われる錠剤を飲みながらのプレーでした。

途中で棄権するかも!と試合を見ながらハラハラしながら応援していました。まだハードコートシーズンもありますし、ここで無理をして怪我が悪化するのを避けるという選択肢も十分考えられました。

しかも、第二セットに入ってから右肘の痛みの影響からかファーストサービスは入らないし、ストロークのミスが続きます。

これは第二セットはダメだなと見ていたら、なんとタイブレークまでいき、そこでセットを取ってしまうという驚きの試合展開。

そして、グルビス選手の怪我にも触れなければなりません。第三セットのタイブレーク中盤で、転倒して膝を捻ってしまいます。

膝を捻ってからは、明らかにフットワークが悪くなり、ストロークが辛そうでした。錦織選手がストロークでグルビス選手を振り回した結果、グルビス選手が転倒した訳なので、錦織選手のプレーが呼び寄せた勝機だと思いますが、もし膝を怪我していなければ、もう少し試合がもつれた可能性もありました。

テーピングでぐるぐる巻きにした膝でプレーを続けるグルビス選手は、棄権という選択をしてもおかしくないほど、動きが悪く、本来のプレーが出来ていませんでした。

でも、わずかでもチャンスがある限り、諦めないで、怪我をしている状態で自分のできる最大限のプレーをしていた姿が印象的でした。

 

本当に勝負というのは、何があるか分かりません。W杯で日本がベルギーに勝ちそうになるのもそうですし、勝負の流れを読んで、勝負どころでいかに自分のプレーができるか。プロの世界では勝ち切るのがいかに難しいのか、ということだと思います。

 

まとめとして、我々が学べることがないか考えてみました。

一つ目は、不安要素を抱えながら100%でなくても勝ち切る技術です。錦織選手は、右肘に不安要素を抱えながら、プレーの質はそれほどよくなくても我慢に我慢を重ねて勝ちきりました。

私たちもいつも100%の状態で物事に対処できませんよね。70%や80%の状態でも最低限の結果を出せるように事前の準備や流れがくるまで耐えられるメンタリティを養っておく必要があると思います。

70%の自分ができることを客観的に把握し、限られた選択肢を使って最大限の結果を出すための戦略、戦術を考え、冷静にそれらを遂行する。書くと簡単ですけど、私も含めて普通の人はできませんよね。それを実行できた錦織選手はやっぱりすごいです。

 

二つ目は、積み重ねることの大切さです。錦織選手は、10回目の挑戦で初めてウインブルドンでベスト8までたどり着きました。しかも、芝での戦い方で明らかな進歩が見られ、その結果としてのベスト8です。10年間継続していることが自分にはあるのか、と自問自答してしまいました。何かをコツコツ続けることが、成功への近道だと思いますけど、なかなか実践できませんよね。人間は弱い生き物なので。