クロネコの塵壺

自分の頭で考えて生きていこう

試行錯誤はするな!〜菅原洋平著『「ぼんやり」が脳を整理する』は脳の新常識を教えてくれるスゴ本です〜

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会社員時代に企画職として働いていたということもあり、私は知的生産の技術にとても興味があります。

以前の記事でも書いたように、アイデア大全、問題解決大全のような考え方に関する本は大好物だったりします。

今回ご紹介する本も知的生産の技術に関する本です。

ただ、リハビリを専門とする作業療法士脳科学に精通している方が書いた本ということで、これまで読んできた本とは少し毛色が違いました。

この本の趣旨としては、脳の仕組みを理解して、脳が効率的に働くような行動や習慣を身につけることで、自分の理想とする成果を出していこう、ということです。

リハビリの現場で培った知見を一般的な生活にも応用する、という趣旨で書かれた本なので、ものすごく説得力があります。

それでは、目から鱗が落ちたポイントを書きます。

脳を臓器として捉える

脳をただの臓器として捉えているところが面白いです。胃とのアナロジーで考えると、脳は、情報を取り込んで、消化し、消化物(情報)から必要なものを選んで(意識を向ける)吸収します。

脳をただの内臓として捉えることは、脳と「私」を分離することでもあります。「脳=『私』」と捉えている人は多いと思いますが、メタな視点で脳を捉える、客観的に脳の機能を理解する、ということです。

つまり、脳の特性を理解してうまく操縦しよう、ということですね。

例えば、私たちが仕事でうまくいかなかったり、新しいアイデアに行き詰まっている時は、脳内に答えがあるのにそれに気づいていない状態なのです。

だから、私たちがやるべきことは、脳と「私」を切り離し、感情を遠ざけ、脳がひらめきやすい状況をつくり、客観的に脳の中の情報に気づくことが重要になってきます。

試行錯誤はするな

どのような状況でも試行錯誤は絶対正しくて、何かをつかむためには、苦しんでもがいて、泥まみれになって、それでやっと自分のものにできる。

いわゆる根性論的な考え方に近いものですが、ずっとそうだと信じていました。

しかし、脳科学的にはそうでもないようです。

例えば、本書では、歴史上の人物を覚えるために記憶力をアップしたい場合を紹介しています。

やみくもに問題に答えていくか、分からない問題は避けて分かる問題のみを答えるか、という戦略があるとします。

後者はエラーレス・トレーニングと呼ばれ、リハビリテーションの現場で脳の記憶力を回復させる手法として使われているそうです。

正確に言うと、9割程度分かる問題を解く、ということですね。全部分かる問題ではなく、1割程度は分からない問題を混ぜる。

試行錯誤の回数を減らし、脳にエラーを起こさせない状況を作ることが、脳の成長には有効なようです。

そして、全部正解できるようになったら、また1割程度分からない問題を投入する。その繰り返しで脳は成長します。

新しいひらめきには、新知識の獲得よりも既存知識の再学習がおススメ

 

引用:菅原洋平(2017)『「ぼんやり」が脳を整理する』大和書房 p.86

上記の文章を見てスターウォーズの大ファンである私は、マスター・ヨーダの格言を思い出しました。

You must unlearn what you have learned.(固定観念を捨てなさい。)

 

引用:スターウォーズ エピソード5「帝国の逆襲」

「unlearn」というのは、捨て去るという意味なのですが、もう少し突き詰めると「学んだことを解きほぐして学び直す」というニュアンスもあります。

ということで、新しいひらめきには「既存知識の再学習(=unlearn)」が有効であるとマスター・ヨーダもおっしゃっております。

おわりに

他にも目から鱗が落ちたポイントがあります。

「ネットで詳しく記事を読むな」、「ひらめきはメタ認知が働いてる時におりてくる」、「情報断食をせよ」などなど。詳しくは本書を読んで頂ければと思います。