クロネコの塵壺

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アール・ブリュット/アウトサイダー・アート、アドルフ・ヴェルフリ

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先日、兵庫県立美術館のアドルフ・ヴェルフリ展に行ってきました。前々からアウトサイダー・アートというジャンルに興味があったので、この機会を逃してはもったいないと思い、展示の最終日である2月26日に作品を鑑賞してきました。

アドルフ・ヴェルフリはスイスの国民的芸術家で、アール・ブリュットやアウト・サイダーアートというジャンルに位置づけられるアーティストです。

アール・ブリュット(生の芸術)は、フランス人画家ジャン・デュビュッフェが提唱した言葉で、「芸術的訓練や芸術家として受け入れた知識に汚されていない、古典芸術や流行のパターンを借りるのでない、創造性の源泉からほとばしる真に自発的な表現」のことを指します。その英語訳がアウトサイダー・アートという理解です。

アール・ブリュットは、狭義の意味では知的障害や精神障害を持った方の芸術作品を指すそうですが、広義の意味では必ずしもそうではなく、独学で孤独に作品を作り続けた人達を含むそうです。(参考:アウトサイダー・アート - Wikipedia

ヴェルフリの経歴を簡単に紹介すると、1864年にスイスの貧しい家庭に生まれ満足に教育を受けることもできないまま成長し職を転々とします。1895年、31歳の時に精神病院に収容されてから創作活動を開始し、66歳で亡くなるまでに全45冊、25000ページの物語とそれに付随した絵を残しています。

展示会場では、ヴェルフリが残した絵を中心に鑑賞することができましたが、キャッチコピーのファンタスティック、エキセントリックという言葉がそのまま当てはまる気がしました。ヴェルフリ独自の記号が散りばめられた斬新な表現は、精神を病んでいる人間の狂気を垣間見ることができ、鑑賞する人をヴェルフリの世界に引き込もうとします。

残念ながら鑑賞した作品がどれほど素晴らしいのか、どれほど価値のあるものなのかは私には分かりませんでしたが、アウトサイダー・アート(既存の芸術の枠では評価できない表現)を肌で感じることができたのは良い経験でした。

ヴェルフリにはヴォルター・モルゲンターラーという主治医がいて、彼がヴェルフリの創作活動に理解を示し、援助をしていたそうです。最初は、鉛筆と新聞用紙だった画材も時を重ねるに連れて色鉛筆と画用紙に昇格するなど、制約がある中でもできる限りの援助をしようとした姿勢が伺えます。ヴォルダー・モルゲンターラーは「芸術家としての精神病者」という論文を残しているので、機会があれば目を通してみたいと考えています。

兵庫県立美術館での展示は2月26日で終了しましたが、名古屋、東京でも展示される予定なので気になった方は足を運んでみてはいかがでしょうか。