読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

クロネコの塵壺

自分の頭で考えて生きていこう

ミニマリストではなくリアリスト!?写真家兼モデル マーク・レイに質問して気づいたこと

映像作品 雑感

Times Square at Dusk (New York City)少し前に書いた記事(→「究極のミニマリスト!?写真家兼モデル マーク・レイの物語」)で紹介した映画を見てきました。当日はマーク・レイ本人による舞台挨拶やサイン会もあって直接質問することができたので、質問して気づいたことや映画の感想を書こうと思います。

#ネタバレを含むので映画を見ていない方は鑑賞後に戻って来て頂ければと思います。

あらすじ

ニューヨークで家を持たずに生活しているファッションフォトグラファーの男性マーク・レイに密着したドキュメンタリー。モデルや俳優としても活動する52歳のマーク・レイは、ハンサムでチャーミングなルックスにブランド物の高級スーツを着こなし、一見すれば誰もがうらやむ華やかな「勝ち組」だが、実はすでに6年間、家のない生活を続けている。

引用:ホームレス ニューヨークと寝た男 : 作品情報 - 映画.com

感想

お洒落。音楽はクリント・イーストウッドの息子でベーシストのカイル・イーストウッドが担当しているので、冒頭からジャズが流れつつ映画のワンシーンがスタート。撮影場所はニューヨーク。お洒落にならないわけがない。

ただ、そう感じたのは冒頭から前半の部分だけ。後半になるにしたがって、主人公の弱さや本音に近い部分が吐露されていく。

ドキュメンタリーと言いながら多少演じている部分はあるのかもしれない。ただ、その脆さや生々しい部分は視聴者を良い意味でも悪い意味でも刺激する。

ニューヨークで働いている人の大半は、来月の家賃の支払いや明日仕事をクビになるかもしれないということに怯えて生きている。

みんなギリギリのところで生活をしている。

マークの職業は写真家や俳優業で成功するのが極めて難しい職業。でも、他の職業の人でも多かれ少なかれ苦しい部分を抱えて生きていることに変わりはない。映画を見ることで共感できる部分が何かしらあるはず。

マークは他人に対して「愛している」と言った経験がない。50代の今も家庭を持っていない。後半部分でその気持ちを吐露していた。

こういう外見だから「女には不自由しないでしょ。大勢の中の一人なんでしょ」って真剣に付き合っている人から言われる。それが辛い。人生は残酷でこの年になっても大した実績がなくて、写真は趣味程度の実力、俳優業は端役ばっかり。平凡な人生でしかなかった。

エンタメやファッション業界は限られた一部の人しか成功できない残酷な世界であることを再認識。そして、彼が映画の中で語っていた言葉が頭から離れない。

無常の喜びを追求せよ。だが、それには悪夢の中で生きる覚悟がいる。

質問したこと

質問
自分のプライベートな生活(ホームレス生活をしていること)を知人や大衆に晒すことになるので、このような映画を作ることは難しい決断だったか?

答え
いいえ。自分の生活はユニークであることは認識していたので、何らかの形で世の中に出せばウケると思っていた。モデル時代の友人に自分のことを話したらドキュメンタリーとして撮りたいと提案してくれたので、二つ返事でOKした。

質問の答えから気づいたこと
彼のしたたかさ。つまり、苦境にあっても自分を客観的に観察して次の一手を考えられる人だということ。ミニマリストというよりは徹底したリアリスト。そして、その試みが成功してドキュメンタリー映画を日本でも公開しているのだから、すごいとしか言いようがない。

舞台挨拶やサイン会の時に聞いた撮影裏話

  • CANON EOS 5Dで全てのシーンを撮影。こんな小さいカメラで映画のスクリーンでも見られる映像が撮れるなんてすごい時代。ただ、マイクについては最初から良いものを別途準備して音声を録音。
  • カイル・イーストウッドがほとんど無料同然で楽曲を寄付してくれた。父親の映画以外で音楽を担当してくれるのは本当に珍しいこと。初期段階のテスト映像を見せたら、共感してくれて楽曲を提供してくれることになった。
  • 現在(2017年2月)は、映画のワンシーンに出てきた友人の家にきちんと家賃を支払って住んでいる。屋根付きの家。
  • 2年間で300時間(?)の映像を撮り貯めた。今回の映画に盛り込めていない映像が多くあるので、続編を作ろうと思えば作ることができる。