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クロネコの塵壺

自分の頭で考えて生きていこう

東浩紀著「弱いつながり」を読んで感じたこと

書評

 本書は、ネットとの距離のとり方について悩んでいた私にとって、新しい指針を提供してくれました。東浩紀氏は、ご存知の方も多いと思いますが、現代思想の研究者、評論家、小説家として活躍されている方です。この「弱いつながり」では、ネットを階級を固定する道具、つまり現実世界の強い絆(所属するコミュニティの人間関係等)をさらに強化し、固定してそこから逃げられなくするものと捉え、そのような統制にどう抗えばよいかについて筆者なりの考え方が述べられています。

 私はコミュニケーション手段としてのネットの便利さを感じつつも一方でその息苦しさ(現実世界の付き合いの延長をネットというバーチャルな世界で行うことの面倒くささ。)も感じていたため、筆者が提示するネットとの付き合い方には非常に好感が持てました。

即レスがつねに誠実さの証なわけではないのです。

ネットには接続するけど、人間関係は切断する。グーグルには接続するけど、ソーシャルネットワークサービスは切断する。それは、ネットを、強い絆をさらに強める場ではなく、弱い絆がランダムに発生する場に生まれ変わらせるということでもあります。

友人に囚われるな。

人間関係を(必要以上に)大切にするな。

 弱い絆というのは、アメリカの社会学者マーク・グラノヴェターが1970年代に提唱した概念で、深い知り合いとの関係(強い絆)よりも、浅い知り合いとの関係(弱い絆)の方が成功のチャンスや人生の満足度に繋がっている、という理論です。

 人生を充実したものにするには、両方の絆が重要ですが、日本人はネット上での人間関係の強化を重視しがちなので、旅をすることで自分の世界を拡げるノイズ(新たな検索ワード、それに付随する弱い絆)を手にいれてはどうか、と筆者は語りかけています。

 

弱いつながり 検索ワードを探す旅

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