クロネコの塵壺

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脳はどのように美しさを判定するか?

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数年前からアートやデザインに興味を持ち始め、その延長線上で、美しさってなんだろう、ということにも興味を持ち始めました。

人は美しいものや風景を見たりすると気分が高揚したり、感動したり、肯定的な感情になりますよね。

これは、その人の趣向や個性など主観的な要素が関連していると思います。

が、自然の中に隠れている黄金比白銀比フィボナッチ数列など、客観的な指標や規則性を美しいと感じる時もありますよね。

 

先日、TEDで美しさに関連する興味深い講演を視聴したので、今回はそのことについて書きます。

講演のタイトルは、「脳はどのように美しさを判定するか?How your brain decides what is beautiful」です。

www.ted.com

 

この講演では、ものや風景についての美しさではなく、人間の美しさについて最新の研究結果を説明しています。

人が人の顔や体を見るとき、どういう点を美しいと感じるのか。脳がどのようなメカニズムで美しいと判断しているのか。

 

まず、犯罪者の顔の話から始まります。ある研究者が、犯罪者の顔を複数枚用意して平均的な顔を抽出しました。典型的な犯罪者の顔が出現すると思っていた研究者は驚きます。なんと、その顔は美しい顔だったのです。

 

人が顔や体に関して美しいと感じる要素は、3つあります。平均性、対称性、ホルモンの効果です。

人の顔について、なぜ人工的に作り出した平均的な顔を美しいと感じてしまうのか。それが犯罪者の顔であっても。その答えは、あるグループの平均性が多様性や環境への適用性を想起させるからです。

 

二つ目の対称性については分かり易いですね。人は、対称的な顔を非対称の顔よりも美しく感じます。寄生生物の感染によって、植物、動物、人間は、体の一部が非対称になることから、対称性は健康の指標にもなっています。

 

三つ目のホルモンの効果については、男性ホルモンであるテストステロン、女性ホルモンであるエストロゲンがそれぞれ、男性らしさ、女性らしさを顔や体に与え、魅力的に見せることをやっています。何を美しいと感じるか、これには個人差だけでなく、性別による差異も考慮した方が良さそうです。

 

この後、講演では、人は美しい顔を見た時に脳が自動的に反応し、報酬中枢と快楽中枢を活性化することに触れます。つまり、美しさについての知識がなくても、脳には「美貌検知器」のようなものがあって自動的に反応してしまうそうです。

 

この研究は、人の顔についての研究なんですが、他の分野ではどうなのかをぜひ知りたいですね。特に芸術の分野で、例えば、西洋は対称性に美しさを見出していますが、日本では、龍安寺の石庭のような非対称性に美しさを見出しています。日本人がなぜ非対称性に美しさを感じるのか。それは先天的なものなのか、生まれてから後天的に獲得するものなのか。

 

この分野については引き続き調べていきたいと思います。